慢性血栓閉塞性肺高血圧症・肺動脈バルーン拡張術(BPA)

慢性血栓閉塞性肺高血圧症

器質化血栓により肺動脈が狭窄・閉塞し、肺動脈圧が上昇し、肺高血圧を呈する疾患を慢性血栓閉塞性肺高血圧症といいます。この病気は適切な治療を行わなければ、生命に関わる可能性がある病気です。治療法としては、外科的手術、薬物療法に加え、近年では狭窄・閉塞した肺動脈を風船で拡張するカテーテル治療「経皮的肺動脈拡張術(BPA)」が積極的に行われるようになり、その良好な治療効果も報告されています。

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この治療の目的

肺動脈バルーン拡張術(Balloon Pulmonary Angioplasty:BPA)は、慢性肺血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)に対して行う治療法です。肺動脈内にできた血栓(血のかたまり)によって血管が狭くなったり、詰まったりすると、肺の血流が悪くなり、肺高血圧症を引き起こします。

BPAでは、カテーテルを使ってそのような狭くなった肺動脈にバルーン(風船)を挿入して拡張することで、血流を改善し、肺高血圧の状態を軽減します。通常、複数回に分けて施行される治療です。

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対象となる方(適応)

  • 外科的手術(肺動脈血栓内膜摘除術:PEA)が困難な方
  • 外科的に到達困難な病変の存在、肺動脈の末梢側に血栓が多く存在する方
  • 高齢や併存疾患などにより、手術リスクが高いと判断される方

BPAのメリット

  • 身体への負担が比較的少ない(低侵襲)
  • 全身麻酔や開胸手術が不要
  • 入院期間や回復までの時間が短縮される傾向がある

注意すべき点(リスク)

BPAは安全性の高い治療ですが、以下のような合併症のリスクもあります。

  • 喀血(血の混じった痰)
  • 肺出血
  • 感染症
  • 治療後の一時的な呼吸状態の悪化

治療は、豊富な経験をもつ医師のもとで慎重に計画・実施されます。当院では、十分な説明と相談のもと、患者さん一人ひとりに最適な治療を提案しています。

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