当院は、日々、数多くの循環器疾患の患者さんに対応しているハイボリュームセンターであり、日常臨床業務も多忙を極めますが、一方で、学会発表や論文執筆などのアカデミックな仕事も精力的に行っています。臨床業務の中で生じた疑問を臨床研究という形で研究・発表し、当院ならではのデータを用いて国際学会での発表なども行っています。

 

　僕は、2018年当時、渡邉 望先生（現 宮崎大学医学部 機能制御学講座 循環動態生理学分野 教授）にご指導頂き、心エコーに関する臨床研究を行っておりましたが、さらに研究を深めるため、当院で病理診断業務をご担当頂いていた宮崎大学医学部 病理学講座 構造機能病態学分野 教授 浅田 祐士郎先生（現 宮崎市郡医師会病院病理診断科部長）にご相談させて頂き、社会人大学院生として宮崎大学大学院へ入学させて頂きました。それまでは、心エコー図データを用いて急性虚血性僧帽弁逆流に関する臨床研究を進めてきましたが1,2、大学院入学により病理学を用いた研究手法を深めることができ、病理学的考察を加えて新たに研究成果をまとめることができました3。このような機会を頂き、また、無事に大学院卒業までご指導頂き、支えてくださった先生方に、心より感謝申し上げます。

西野　峻

 

1.Nishino S, Watanabe N, Kimura T, Enriquez-Sarano M, Nakama T, Furugen M, Koiwaya H, Ashikaga K, Kuriyama N and Shibata Y. The Course of Ischemic Mitral Regurgitation in Acute Myocardial Infarction After Primary Percutaneous Coronary Intervention: From Emergency Room to Long-Term Follow-Up. Circ Cardiovasc Imaging. 2016;9:e004841.
2.Nishino S, Watanabe N, Kimura T, Kuriyama N and Shibata Y. Acute Versus Chronic Ischemic Mitral Regurgitation: An Echocardiographic Study of Anatomy and Physiology. Circ Cardiovasc Imaging. 2018;11:e007028.
3.Nishino S, Watanabe N, Gi T, Kuriyama N, Shibata Y and Asada Y. Longitudinal Evaluation of Mitral Valve Leaflet Remodeling After Acute Myocardial Infarction: Serial Quantitation of Valve Geometry Using Real-Time 3-Dimensional Echocardiography. Circ Cardiovasc Imaging. 2020;13:e011396.