循環器専門医制度は、一般社団法人日本専門医機構が認定する資格であり、申請要件を満たす本人が申請の上、審査を経て資格として時限認定(5年更新)される。
高齢化社会を迎えた本邦において循環器疾患の有病率、死因に占める割合は高く循環器専門医の社会的責務は大きい。そのため循環器専門医はEvidence Based Medicineに基づいた疾患の1次予防、2次予防に精通するだけではなく、自ら率先して疾患予防を実践する人物であるべきである。同時に高度医療の実践を可能にするチーム医療の必要性や患者の Comorbidity に対応する諸診療科や地域医家・コメディカルとの連携を認識し、倫理観を持ってそれらを遂行することが求められる。
本制度では、適切な指導体制のもとで代表的な疾患をもつ患者の診断・治療経験を積むことにより、国民から信頼される医師を育成する。また、さらに研鑽を積んで自ら指導者たる技量を備えるように絶えず自己啓発を続ける。
循環器専門医は、内科専門医あるいは外科専門医・小児科専門医によって養われた態度と知識・技能を礎に、循環器領域の専門的診断力と治療技術を体得し、主として成人循環器疾患の急性期並びに慢性期における診断と治療において、諸診療科や地域医家との連携の中で、適切かつ時期を失しない医療を国民に提供することを使命とする。
(Ⅰ)基本領域との関係
基本領域資格は内科専門医とする。循環器内科専門医数の内、内科専門医数が70%以上を占めるため、本領域はサブスペシャルティ領域専門研修細則に規定されるカテゴリーA であり、内科領域のサブスペシャルティ領域連絡協議会に参加する。循環器内科領域専門医検討委員会を構築し、制度の構築、運用、管理を行う。
(Ⅱ)領域の位置づけ(分類)
循環器内科専門医は、内科領域と密接に連携し、その内科全般を俯瞰する知識と経験の上に構築される。従って内科専門研修で求められる循環器内科領域の症例経験や救急診療体験は、循環器内科専門医への移行として相互に依存した関係を形成すると考える。この観点により、内科専門研修と循環器内科専門医研修とは一定部分においては(症例においても、あるいは、研修時期においても)互換相補的関係を有することが妥当であり、本領域は内科専門研修との連動研修を行い得る領域である。
(Ⅲ)他の領域の研修実績を研修実績として認める条件
指導医のもとで経験した研修内容であれば、内科専門研修中の経験を循環器内科専門医研修の一部として認めることが可能である。早ければ内科専門研修 2 年目から循環器内科専門医研修指導医の下で、連動研修を開始できる。


(Ⅳ)高度専門的な資格への連続性
循環器疾患を幅広く経験することにより、同領域の疾患および病態を理解する。
虚血性心疾患、うっ血性心不全、弁膜症、不整脈、大動脈疾患および末梢血管病などの疾患のマネジメントを指導医および上級医と適宜相談しながら行うことができる。
| 1年次 | 専門医の指導を仰ぎ、診断及び治療方針を立案し実行できる。各種循環器疾患の病態整理や診断、治療の基礎的な知識と技術を習得するとともに論理的に理解できる。臨床研究の意義と実際を十分に理解できる。 |
|---|---|
| 2年次 | 専門医とともに診断、治療に関する一般的な知識と技術を習得し、論理に裏打ちされた治療方針を主体的に立案し実行できる。 |
| 3年次 | 専門医を補助する情報の検索ができ、発展的な診断及び治療方針を立案し実行できる。簡単な臨床研究のプロトコール作成に関与できる。将来の専門的診療、あるいは総合診療への進路を策定できる。 |
当院は平成4年より心臓血管カテーテル検査が開始され、平成7年より心臓血管外科手術も施行可能となり、この地域の心臓病センターとしての役割を担うようになりました。私たち循環器内科は常に心臓血管外科、メディカルスタッフと協力し、毎朝カンファレンスを行い、患者さん一人ひとりを総合的見地から至適医療を目指しています。
2024年の診療実績は、心臓カテーテル検査2,517例、冠動脈インターベンション898例、カテーテルアブレーション670例、末梢血管インターベンション503例、ACS(急性心筋梗塞、不安定狭心症) 294例、経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)94例、永久ペースメーカー植え込み手術161例、CRT(P&D) 25例、ICD 30例でした。対象疾患としては冠動脈疾患、うっ血性心不全、弁膜疾患、心筋疾患、心膜疾患、大動脈疾患、肺塞栓症、不整脈、先天性心疾患などあらゆる疾患を持った患者さんを診療しています。
冠動脈造影検査、心エコー検査、心臓核医学検査、冠動脈CT画像診断の院内ネットワーク、データの管理システムも充実していて、心臓リハビリテーションにも積極的に取り組んでいます。
J-OSLERによる評価方法(研修医⇔指導医)
※研修医は、各分野の研修終了後、速やかにその分野の自己評価を行い、J-OSLER評価システムに入力をすること