当院では、循環器疾患の診断及び治療に関して、「日本循環器学会のガイドライン」に基づく診療を行っています。
一般的な臓病の治療として以下のような方法があります。
- 食事療法
- 運動療法
- 薬物療法
- 心臓カテーテル治療
- 外科的手術
- 低心機能に対する人工補助療法
当院では、循環器疾患の診断及び治療に関して、「日本循環器学会のガイドライン」に基づく診療を行っています。
一般的な臓病の治療として以下のような方法があります。
心臓や血管の病気は、目に見えにくく、症状が出にくいことも多いのが特徴です。
そのため、病気を内側からコントロールするために薬による治療(薬物治療)は、心臓病の基本を成す治療法となります。
カテーテル治療や外科的治療を成功させるためにも薬物療法は必要で、また病気を悪化させない、再発させない為にも薬物療法は継続して必要になります。
当センターでの薬物療法は、最新の循環器疾患のガイドラインを遵守して行われております。
| 利尿薬 | 心不全になると体に水分とナトリウムが溜まる結果、血液のうっ滞(うっ血)が起こり、息切れやむくみといった症状が現れます。利尿薬は体に溜まった水分やナトリウムを尿に出すことによって、うっ血を改善し、心不全の症状を軽くします。 |
| 降圧薬 | 血圧が高い状態が続くと、心臓や血管に大きな負担がかかり、心不全・心筋梗塞などの病気のリスクが高くなります。降圧薬は血管を広げ、血圧を下げ、心臓の負担を軽くします。ACE阻害薬やARB、カルシウム拮抗薬などといった薬が使用されることが多いです。 |
| β遮断薬 | 心拍数と収縮をやわらげ、心臓を休ませ、働きを安定させます。 |
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ARNI (新しい心不全治療薬) |
心臓の働きを助け、心不全の進行を抑える新しいタイプのお薬です。 |
| 抗凝固薬・抗血小板薬 |
血液をサラサラにし、血栓や脳梗塞・心筋梗塞を予防します。薬には2種類あり、抗血小板薬・抗凝固薬があります。 抗血小板薬: |
| コレステロール低下薬 | 高コレステロール血症は、心血管疾患の主要なリスクファクターです。 脂質異常症や冠動脈治療後に使用され、心血管疾患のリスクを減少させます。主要な薬剤にはスタチンとフィブラートがあり、それぞれ異なる作用機序を持ちます。また最近では難治性脂質異常症や家族性高コレステロール血症にも有効な注射薬(PCSK9阻害剤)なども多く使用されています。 |
| 抗不整脈薬 | 不整脈とは心臓のリズムや不規則に乱れたり心拍数が正常と比べ多くなったり少なくなったりする状態です。脈拍やリズムを整えるためなどに使用されます。 |
心臓病の急性期には、薬物治療、心臓カテーテル治療や心臓外科による手術などが行われますが、心臓リハビリテーションは、そのような治療の前後に過度な安静を避け、体力の低下や心臓機能の悪化を防ぐことを目的としています。
さらに慢性期には心肺機能、身体機能の向上を目的として運動療法を行うだけでなく、患者さんの心臓病に対する理解を深め、日常生活における注意点を指導することで社会復帰の一助となっています。
【心臓病におけるリハビリテーションの効果】
など多岐にわたります。

【リハビリテーションの内容】
心臓リハビリテーションでは、重量挙げや短距離走、腕立て伏せや懸垂などの無酸素運動ではなく、身体に酸素を取り入れながら全身をリズミカルに動かす有酸素運動や軽い強度の筋力トレーニング(低強度レジスタンス運動)を行います。
患者さんの症状に応じて運動を行うことも重要であり、右図の「Borg指数」を参考にします。心臓病の患者さんは、Borg指数11(楽である)〜13(ややきつい)程度を目安に運動を行うことが推奨されています。無理なく、継続できるように気持ち良い範囲で運動を行うことが重要です。注意点としては、体調が優れない、体重増加や浮腫といった心不全の兆候が認められる場合には無理に行うと逆効果となりますので、注意が必要です。入院中は、写真のように理学療法士の見守りのもと、リハビリを行うことができます。


【最後に】
当院では薬物治療、心臓カテーテル治療、心臓外科手術といった治療の一環として積極的に心臓リハビリテーションに取り組んでいます。快適な日々を過ごすために、一緒に頑張りましょう。
狭心症や心筋梗塞に対して行われる治療で、狭くなったり閉塞したりした心臓の筋肉(心筋)を栄養する冠動脈に対する治療です。胸を開く外科的治療と違って、手首もしくは足の付け根の動脈からカテーテルを用いて治療を行う事から、経皮的と言われています。太さ2~3mmのカテーテルの中を通して、バルーン(風船)やステント(金属の網)を狭窄・閉塞部位まで運んで、その場所で拡げる事により狭窄を解除して血管内腔を確保する治療です。

動脈硬化により血管内に蓄積した粥腫(じゅくしゅ)は、脂質・線維化・石灰化・それらの混合成分などから構成されています。
石灰化であれば硬く、バルーンのみで拡張する事が時に困難であり、ロータブレーターやダイアモンドバック360といった人工ダイアモンドが付着している道具を回転させながら削る(回転ヤスリ)治療や、石灰に衝撃波を与えて砕く治療(IVL:Intravascular Lithotripsy)が追加される事があります。
大きな血管入口部の粥腫であれば一方向性冠動脈アテレクトミー(DCA;Directional Coronary Atherectomy)で削る(カンナ)治療を加える事もあります。その病変ごとに適した治療法が選択されます。
図2 ローターブレーター
図3 ダイアモンドバック

IVUSやOCTを使用して、ステントのサイズを決定するための病変の長さ・血管径の計測や、病変部の性状の評価、バルーンカテーテルで拡張した後の動脈壁の解離 (裂け目や亀裂) の状態の評価、冠動脈ステント留置後のステントの血管壁への圧着や適切なステント拡張の評価を行います。PCIを安全に施行し、なおかつ長期成績向上の為に必要なデバイスです。
IVUSもOCTも太さ1mm程の細い検査器具ですが、IVUSは超音波をOCTでは近赤外線を照射することで冠動脈の横断面画像を撮影することが出来ます。
それぞれ特徴があり、OCTではIVUSの約10倍の解像度であり、画像がより鮮明です。その分IVUSはより深いところまで超音波が到達するため冠動脈の外側まで映し出すことができ、それぞれ一長一短でであり、冠動脈に合わせて使い分けて治療を行います。


心臓は全身に血液を送り出すポンプであり、全身の血管と心臓はつながっています。カテーテルという直径2mm程度の細い管を、足の付け根の大腿静脈(又は動脈)、首にある内頚静脈から血管内に挿入し、心臓の中まで運び、不整脈の発生部位(または回路)を探し出します。その上で高周波という特殊な電気をカテーテルに流し、カテーテル先端の心臓に当たった部位を焼灼することで、不整脈を根治(完全に治す)治療法です。
治療はカテーテルを挿入する部位の局所麻酔だけで可能であり、発作性上室性頻拍症、心房粗動などの不整脈に対する治療時間は約1~2時間ですが、複雑で難しい不整脈(心房細動、心室頻拍、術後の不整脈など)の場合には数時間を要することもあります。入院期間は通常3、4日間であり、退院後の日常生活に制限はありません。
合併症として、一般的に、カテーテルにより血管や心臓を傷ついたり(心タンポナーデ、房室ブロックなど)、稀に軽症脳梗塞等を起こす可能性などがあります。


NEJM参照
パルスフィールドアブレーションとは
カテーテルアブレーションは、不整脈の一種である心房細動(しんぼうさいどう)に対するカテーテル治療です。
心房細動は、心臓の上部(心房)が不規則に速く動くことで、動悸や息切れ、疲れやすさなどの症状を引き起こします。
この治療では、心臓内に細い管(カテーテル)を挿入し、特殊な形状の電極で肺静脈の周囲を冷却・焼灼(しょうしゃく)して異常な電気信号を遮断し、正常なリズムが保たれるようになります。 2024年より当院では最新のパルスフィールドアブレーション(PFA)を導入しました。
PFAは、従来の高周波や冷凍によるアブレーションとは異なり、電場(パルス電界)を用いて異常な電気信号を発する病的心筋を死滅させます。この方法の大きなメリットは、周囲の正常な組織への影響が少なく、安全性が高いことです。特に、食道や血管などの損傷リスクが低いため、合併症の可能性が低減します。
また、治療時間が短く、回復も早いため、患者様の身体的負担を軽減できるのも特長です。
当院では、患者さんの安全を第一に考え、最新の医療技術を用いた治療を提供しています。ご不明な点があれば、お気軽にご相談ください。
〔イメージ図〕



(Jonson & Jonson社、Boston社、Medtronic社 公式サイトより引用)




このような方に行います
ご不安な方へ
ご不安なことがあれば、お気軽にご相談ください。
私たちは、患者さんお一人おひとりに合った最適な治療を一緒に考えていきます。
大動脈弁狭窄症は、大動脈弁(左心室と大動脈の間を隔てる扉)の開きが悪くなる病気です。重症となった場合は、人工弁を用いた手術が必要となりますが、全身の状態などにより手術(開胸手術や経カテーテル的大動脈弁置換術)が困難な場合は、体への負担が少ないカテーテルを用いた『経皮的大動脈弁バルーン拡張術』の適応となります。
腕や足の動脈からカテーテルを挿入し、バルーンを大動脈弁に進めてバルーンを拡張する方法(逆行性アプローチ)と、足の静脈からカテーテルを挿入しバルーンを心房中隔に進めて貫通させ、左房左室を経由してさらに大動脈弁を通過させバルーンを拡張する方法(順行性アプローチ)の2つがあります。患者さんの状態により適した方法を検討することになります。
ペースメーカーについて
ペースメーカーは、心拍数が異常に遅くなる「徐脈性不整脈」を監視・治療する装置です。徐脈とは、通常脈拍が1分間に60回未満となる状態を指し、全身に十分な酸素を送り届けられなくなり、めまい、息切れ、失神、疲労感などの症状が現れます。まず、薬剤、心筋梗塞、心筋炎、電解質異常など、徐脈を引き起こす原因がある場合はその治療を優先します。原因が不明、もしくは治療後も徐脈が持続する場合には、恒久的なペースメーカー植え込みを行います。
ペースメーカーには、鎖骨下静脈(左側からの植込が一般的です)からリードを1本もしくは2本挿入する経静脈ペースメーカーならびにリードのないリードレスペースメーカーがあり、患者さんの状態に応じて選択されます。両者の特徴は以下の通りとなります。(日本メドトロニック社の資料より引用)
①経静脈ペースメーカー

②リードレスペースメーカー

以前は経静脈タイプのペースメーカーが主でしたが、最近はリードレスペースメーカーの症例数も急激に増えています。
経静脈ペースメーカーの手術は通常、局所麻酔下で行われ、1~2時間程度で終了します。リードレスペースメーカーの手術も局所麻酔下で行われますが、手術時間は30分~1時間程度とやや短くなります。
従来の経静脈ペースメーカー治療では、胸部に本体(ジェネレーター)を皮下に植え込み、静脈を通してリード(電線)を心臓内に留置する必要がありました。この方法では、リードの断線や静脈閉塞、皮下ポケットからの感染などの合併症リスクがありました。
リードレスペースメーカーは、これらの問題を大幅に減らす革新的な治療法です。右足の付け根(大腿静脈)からカテーテルを用いて心臓内(右心室)へ直接本体を送り込み、心臓壁に固定します。胸部の皮下ポケット作成やリード挿入は不要であり、傷跡も残りません。また、体外から機器のふくらみが見えることもないため、外観を気にすることなく、より自然な生活を送ることができます。
ただし、リードレスペースメーカーはすべての患者さんに適応できるわけではありません。治療適応については、担当医にご相談ください。
どちらのタイプのペースメーカーも、植え込み後は電池の残量などのペースメーカーの状態を確認するため、定期的な受診(退院後1か月、以後6か月ごと)が必要です。
経静脈ペースメーカーの場合には、電池が消耗した際には本体の交換手術を行います。リードレスペースメーカーの場合には、本体の交換が出来ないため、2個目のリードレスペースメーカーを心臓に挿入する必要があります。

日本メドトロニック社より提供
心臓再同期療法(CRT)・植込み型除細動器(ICD)について
薬物治療で改善しない重症心不全に対しては、心臓移植や補助人工心臓といった治療法もありますが、いずれも一般的ではありません。このため、心臓再同期療法(CRT)を行うことがあります。
CRTでは、通常の右心房・右心室へのリードに加え、冠静脈洞と呼ばれる血管を介して左心室にもリードを留置し、同時に電気刺激を与えることで心機能を改善します。心不全の進行抑制、症状改善、生命予後改善を目指し、約7割の患者さんで効果が期待できます。
一方、致死的な心室性不整脈が出現する患者さんには、突然死を防ぐために植込み型除細動器(ICD)による治療を行います。心臓再同期療法とICDの療法の機能を持った両室ペーシング機能付き除細動器(CRT-D)と呼ばれるデバイスもあります。ICDは心臓を24時間監視し、致死性不整脈を検知すると自動的に治療を行います。
ICDは通常は経静脈ペースメーカーと同様に左鎖骨下静脈から挿入します。手術時間はペースメーカーとほぼ同様の時間ですが、右心室に挿入するリードが少し太くなる点がペースメーカーと異なります。CRTについては、冠静脈洞にもリードを挿入しないといけないため、手術時間は少し長くなります。
経静脈的に挿入するICDだけではなく、皮下植込み型除細動器(S-ICD)の手術も当院では行っております。S-ICD(皮下植込み型除細動器)は、血管内にリードを挿入することなく、胸部皮下にリードを留置するタイプのICDです。これにより、血流感染症や静脈損傷のリスクを低減できる利点があります。ただし、これまでのICDに比べ、徐脈に対するペーシング機能を持っていないため、適応疾患が限られます。
また、最近ではEV-ICD(Extravascular ICD)という新しい選択肢も登場しています。EV-ICDは心膜下にリードを留置することで、血管内リードを使用せずに除細動とペーシングの両機能を提供することが可能です。これにより、S-ICDでは対応できなかった徐脈ペーシングも可能となり、感染リスクを低減しながら機能性を確保できるデバイスとして注目されています。今後当院でも導入予定です。
心臓再同期療法や除細動器植え込み治療は、専門医による適応判断が必要です。ご不明な点があれば、どうぞご相談ください。
両室ペーシング機能付埋め込み型除細動器(CRTD)について
2025 Boston Scientific Corporation. All rights reserved.
2006年8月より本邦でも両者の機能を持ち併せた「両心室ペーシング機能付埋込型除細動器 (CRT-D) 」の使用が可能となりました。本体は、数センチ大で(重さ約75g)電池とマイクロコンピューターが搭載されたチタンでできています。それにつながるリード線が血管(静脈)を通って心臓内にその先端が置かれ、心臓が発する電気情報を絶え間なく本体に送り、致死的不整脈の発作が起きたときには、本体からの電気刺激を心臓内に伝え治療を行います。そして正常な拍動を取り戻させる働きをします。治療適応につきましては、専門の先生にお尋ねください。
心臓再同期療法、両室ペーシング機能付き埋め込み型除細動器と埋め込み型除細動器治療は、専門医により適応があると判断される患者さんに行われますので、ご不明な点がございましたらご相談下さい。
リード抜去には、状況に応じてさまざまな専用器具を使用します。
・レーザーシース:リード周囲にできた瘢痕組織をレーザーで蒸散させ、血管や心臓を傷つけずにリードを取り除きます。
・エボリューション(回転式ダイレーターシース):機械的に瘢痕組織を切り開きながら進む器具で、レーザーでは難しい部位にも対応可能です。
・スネアカテーテル:リードの先端などを血管内から引き寄せて抜去する際に使用する補助器具です。
血管損傷、心臓穿孔などの重篤な合併症が起きるリスクが1-2%と報告されています。手術は基本的に全身麻酔下で行い、心臓外科チームのバックアップ体制を整えたうえで、安全を最優先に治療を行っています。患者さん一人ひとりの状態に合わせ、最適な方法を選択して治療にあたります。


エキシマレーザ心内リード抜去システム(GlideLight)

回転式ダイレーターシース(Evolution)

画像提供:泉工医科工業株式会社
図1に示すように、心臓の収縮、拡張のタイミングに合わせて風船を膨らませたり縮ませたりします。そうすることで心臓の負荷を軽減したり、心臓を含めた臓器の血流を改善したりすることで効果を発揮します。
心筋梗塞や心不全、心臓血管外科の周術期に用いることがあります。2024年には年間96台のIABPが使用されました。
当院のCCUで用いるのは、VA-ECMOといって心臓と肺の代わり(人工心肺)をしてくれる機器です。図3に示すように、血液を体内から取りだし、人工肺でガス交換された血液を勢いよく体内に戻すことで体内の血液の循環や酸素化を保ちます。
2024年には34台のVA-ECMOが使用されました。

図2に示すように心臓の中の血液を小型のポンプで汲み出し、大動脈に流すことで生理的な血液の流れのまま、全身に血液を送ることができます。
さらに心臓の負担を大幅に軽減できます。重篤な心筋梗塞や心不全に用いることがあり、2024年には11台のImpellaが稼動しました。

― 重症の心不全患者さんに対し、弱った心臓の働きを補うために使用される医療機器です。
心臓は全身に血液を送り出すポンプの役割を果たしていますが、心筋の機能が著しく低下すると、血液を十分に送り出すことができず、息切れやむくみ、倦怠感などの症状が現れます。薬物療法やカテーテル治療、ペースメーカーなどの治療でも症状が改善しない場合、心不全の終末期と診断されることがあります。
このような重症の心不全に対して、心臓のポンプ機能を機械で補うために植え込まれるのが、補助人工心臓(VAD)です。当院は、このVAD治療に対応可能な「管理施設」として認定されています。
― 心臓移植までの「橋渡し」や、長期的な心機能補助として使用されます。
VADは、次のような目的で使用されます。
・心臓移植までの「ブリッジ治療」:心臓移植が必要だが、すぐには移植が受けられない方に、移植までの間に心機能を維持するため。
・回復を待つ「ブリッジ・トゥ・リカバリー」:一時的に心機能が低下している場合に、心臓が回復するまでの補助目的。
・長期的補助「Destination Therapy」 心臓移植の適応がない患者さんに対して、生活の質の改善や延命を目的として長期間使用されます。
VADは、体内に植え込まれるポンプ(主に左心室に接続)と、体外のバッテリーや制御装置(コントローラー)で構成されます。
心臓から送り出される血液をポンプで補助し、全身に血液を循環させます。


植込み型補助人工心臓 HeartMate3TM (二プロ株式会社・アボットメディカルジャパンより提供)
以下の条件に該当する重症心不全患者さんが、VAD治療の対象となります。
・心臓移植が必要と判断されたが、すぐには受けられない方
・薬物療法やデバイス治療でも改善がみられない進行した心不全
・NYHA分類でクラスⅢb〜Ⅳの状態
・適切な社会的サポート体制が整っている方(退院後の在宅管理が必要なため)
VADは在宅で使用する医療機器です。退院後も定期的な外来受診や24時間のサポート体制が必要となります。
当院では、専門の心不全チームが医師・看護師・臨床工学技士・リハビリスタッフなど多職種で連携し、患者さんとご家族の生活をサポートします。